小論文

January 4, 2024

小論文が苦手。どうすればいいですか?

小論文が苦手。どうすればいいですか?

小論文は正解のない世界なので、苦手意識を持つ人も少なくありません。小論文が苦手な人は、書く前にまずこれをするのがお勧めです。


タイトル分析

小論文には、お題がありますよね。自宅で小論文の書き方を練習する際、まず最も重要なことは何が言いたいのか?を決めることです。800字の文字を並べ結果、何が言いたかったか?を明確にすること。ここに焦点を当ててみましょう。


これを行うには、徹底的な分析が必要になってきます。この部分に最大限の時間を割くことでまとまりのある小論文に仕上げてゆくことができます。具体例を出しながら分析してゆきます。


「少子化対策には何が必要か?」


こんなお題があったとします。この中でまずキーワードを絞り込みます。


少子化

具体的な対策


このタイトルから引き出せるものはこれらのキーワードです。少子化という現象が問題になっているので対策を述べよ。というわけです。



小論文は80%土台作りに時間を費やすこと

ネット上では、文字数や誤字脱字のアドバイスがほとんどで、序論、本論、結論といった構造的なアドバイスも一般的なものばかりです。


実は、良い小論文を仕上げるには、土台作りに80%の時間をかけるのが効果的です。


土台がしっかりした小論文は、読み手の興味を惹き良質なものに仕上がります。土台が悪い小論文はいくら添削しても仕上がりが悪く時間の無駄になってしまいます。この点を理解しないで作成すると、序論ー本論ー結論の型に無理やり嵌め込み内容がスカスカの文章ができてしまうのです。


そんな文章を添削するのは非常に困難なので、結果文字数や誤字脱字のアドバイスにとどまるということになってしまいます。型に嵌め込んでただ書くのではなく、土台作りに80%の時間を費やすこと。これが良質の小論文を書く重要なポイントです。



分析とリサーチ

80%をも占める土台作りですが、小論文の場合は質問をまずよく読み理解することがはじめの一歩です。いくら良い文章を書いても、論点がずれてしまったものでは意味がありません。土台作りの最初のステップは、質問を理解すること。簡単なことのようですが多くの人がこれを怠り聞かれてもいないことを記述展開する傾向があります。具体的な課題を例に説明してゆきます。


課題タイトル:少子化対策には何が必要か?


よくある課題ですね。このようなタイトルの小論文を書く際、質問の意図をよく考えます。このようにタイトルを単語にしてゆくと良いかもしれません。まずは最も重要なキーワードを探します。ここでは「少子化」ですよね?そこで一体少子化とはなんなのか?を考えてゆきます。



少子化

「少子化」とは、社会における出生率の低下、すなわち子どもの出生数が減少する現象を指します。これは、多くの先進国で見られる傾向であり、特に日本やいくつかのヨーロッパ諸国で顕著です。少子化の主な原因には、結婚の遅れ、経済的理由による出産の延期、女性の社会進出によるキャリア志向の強化などが挙げられます。この現象は、労働力不足、社会保障制度への圧力増加、人口構造の変化など、さまざまな社会経済的な問題を引き起こす可能性があります。


つまり、子供が少なくなるという現象です。原因は結婚の遅れ、経済理由によるもの。これが進むと労働力不足、人口構造変化など社会経済的な問題を引き起こす可能性がある。ということです。



対策

そこで、次のキーワードが「対策」です。社会経済的な問題を引き起こすことを防ぐ対策をインターネットなどで調べてゆきます。この知識がないまま文章を構成しても深みが増しません。ここにできる限りの知識をつけておくことが重要です。目安として5つくらい挙げておくと良いでしょう。


少子化に対処するための主な5つの対策は以下の通りです:


1. 育児支援の強化: 子育てにかかる経済的・時間的負担を軽減するために、保育所の増設、育児休暇の拡充、育児手当の増額などが有効です。これにより、子どもを持つことの経済的な障壁を低減できます。


2. 女性の職場復帰支援: 産後の女性が職場にスムーズに復帰できるよう、柔軟な勤務体制やキャリア継続のサポートを提供します。これは女性の職業選択の自由を高め、出産とキャリアの両立を促進します。


3. 経済的支援: 若い世代の経済的な安定は、結婚や子育てを考える上で重要です。住宅ローンの支援、教育費の補助など、経済的な負担を軽減する政策が有効です。


4. ワークライフバランスの推進: 労働時間の短縮、テレワークの促進、年次有給休暇の取得促進など、仕事と私生活のバランスを取りやすくすることが重要です。これにより、家庭生活にもっと時間を割くことが可能になります。


5. 意識改革と教育: 少子化問題に対する意識を高め、家庭と仕事の両立に関する教育を行うことも重要です。これには、学校教育や公共キャンペーンを通じて、男女共同参画の意識を醸成することが含まれます。 


これらの対策は、単独で行うよりも、複合的に実施することで、より効果的に少子化問題に対処できる可能性があります。



何が必要か?

具体的な少子化対策として必要な施策は以下のようになります:


1. 保育施設の拡充と質の向上: 保育所の待機児童問題を解消し、保育の質を向上させるために、国や自治体が保育施設の増設や保育士の待遇改善を図る必要があります。


2. 育児休暇制度の改善と普及: 育児休暇を取得しやすい環境を作り、特に男性の育休取得率を高めるための意識改革や法律の改正が求められます。また、小規模企業に対しても育休制度の導入を支援する必要があります。


3. 子育て経済支援の拡大: 子ども手当の増額、教育費の補助や住宅支援制度の拡充など、子育てにかかる経済的負担を軽減する政策が必要です。


4. 柔軟な労働環境の推進: テレワークやフレックスタイム制度の普及、時短勤務の選択肢の提供など、多様な働き方を可能にすることで、子育てと仕事の両立を容易にします。


5. 教育プログラムと公共キャンペーン: 性平等と家庭内での役割分担に関する教育プログラムを学校や地域社会で実施し、男女共同参画の意識を醸成するための公共キャンペーンを展開することが有効です。


これらの施策は、国や地域社会、企業、そして個々の家庭が協力して実施することが重要です。社会全体で少子化問題に取り組むことが、この問題に効果的に対処する鍵となります。



根拠集め

土台作りはまだまだ続きます。少子化の対策を集めたら3つに焦点を絞ります。(今回の例は3つですが2つにしてカウンターStatementという方法もありますが今回はシンプルに3つで説明します。)少子化という問題を解決してゆくのに有効だと思う3つの対策を選びます。そしてそれを書き出します。


少子化

  1. 育児支援の強化
  2. 女性の職場復帰支援
  3. 柔軟な労働環境の推進


を選んだとしましょう。(選択は自由ですしどれでも不正解はありません。)


ここから、根拠を集めてゆきます。実はこの作業をすることで超難関向け小論文に早変わりしてきます。多くの人はここが欠けているため、小論文の評価が大幅に減点されています。ここもリサーチ力が重要になります。


少子化の問題を改善するための策として、育児支援の強化、女性の職場復帰支援、柔軟な労働環境の推進。を選んだとします。その根拠は?誰がそう言ったの?本当にそうなの?と問いかけてゆきます。


育児支援の強化をすると本当に少子化が軽減されるのか?

フランスでは、家族給付の水準が全体的に手厚く、特に第3子以上の子どもを持つ家族に有利な制度が特徴です。1990年代以降、フランスは経済的支援から保育の充実へシフトし、出産・子育てと就労の両立支援を強化しています。フランスの合計特殊出生率の推移を見ると、2000年代には1.89から2.00へと増加し、2010年には2.03に達しています。このことから、育児支援の強化は、効果的であるといえますね。


女性の職場復帰支援をすると本当に少子化が軽減されるのか?

平成27年時点の福井県のデータによると、女性の就業率(25~44歳)が86.8%に達しており、これは日本国内で最も高い数値です。このような高い就業率は、女性の職業を持つことに対する意識の変化、並びに保育所などの育児基盤や育児休業制度の整備・充実が影響していると考えられます。育児基盤がしっかりしていることは、子供を持つという選択しが広がり少子化対策になりますね。


柔軟な労働環境の推進

BusinessFrontierの記事では、リモートワークやフレキシブルな労働スケジュールが一般的になることで、ワーク・ライフ・バランスの実現が容易になり、地理的な制約を克服できるようになると指摘されています。これは、個人のキャリアの多様性と柔軟性を高め、よりよい労働環境の推進に繋がりますね。


このように3つの固定した主張にたいし裏付ける信頼あるソース(政府や新聞など)を見つけ出します。


以上ここまでが土台作りです。ここまでの作業は、すべてリサーチです。あなたの考えではなく現実社会で起きている事実になります。


これらを的確に洗い出しリスト化する。これが土台作りになります。


小論文受験などではこれらの情報は、資料として与えられたりもしくはあなたの知識として対応して行かなければなりません。普段から社会問題を意識し、上のような資料を作成しておくとどのような問題がでても対応できるようになってきます。


資料が揃ったら次はいよいよ文の組み立てです。



文の組み立て

集めた情報を論理的な構造になるように組み立ててゆきます。小論文構成にはルールがありますが、日本の学校ではしっかりとしたカリキュラムがない為、習うことができません。アメリカの学校では小学生から基準に従い小論文の組み立てを行います。その為、大学生になる頃には小論文の質はとても高くなっているのが特徴です。


文の組み立ては、ピアノの練習のように何度も繰り返すことで自然と身についてきます。書くことが苦手でも何度も書く習慣をつけることで徐々に文字を書きやすくなってくるものです。


例えば序論であれば大きな骨格は以下のようになっています。


序論

-Hook

-Bridge

-Thesis Statement


このように決められた型に文章を当てはめてゆく手法をACE Writing Methodと呼びます。ACE手法で組み立ててゆくことで主張が一貫した読みやすい文章構成ができるようになります。


基本的にこのような順序を覚え込む必要はありません。入力された小論文が分析され、あなたの文章でどの部分が欠けているかをAIが分析してくれます。


欠けている部分が指摘されるのでそこを埋め込むように校正をしてゆくことで自然と型にはまった文章を作れるようになります。


アメリカ人の論文やプレゼンテーションが世界でもトップクラスなのは、このような確立された手法の存在があります。iPhoneで世界を一変したスティーブ・ジョブズのプレゼンテーションにもこの手法が巧みに組み込まれています。


序論からフレームに組み込んで書き込んでゆきます。序論をさらに3分割し1パラグラフにしてゆきます。


Hook:

私たちの周りで子供の笑い声が少なくなっていることに気付いていますか?日本社会における少子化は、単なる人口統計の問題を超え、将来の労働力、経済成長、さらには文化的な継承にまで影響を及ぼす重要な課題となっています。


Bridge:

この深刻な問題に対処するためには、様々な社会政策が必要です。特に注目されるべきは、育児支援の強化、女性の職場復帰支援、そして柔軟な労働環境の推進の3つの領域です。これらは、家庭と職業の両立を促進し、子育て世代の経済的、心理的な負担を軽減するために、重要な役割を果たします。


Thesis Statement:

この小論文では、これら3つの主要な対策が、少子化の現象にどのように対処し、社会全体の福祉を高めるために貢献するかを探求します。具体的な政策提案とその効果について詳細に検討し、少子化問題の解決に向けた実践的なアプローチを提案します。


このように分割されていることで整理しながら自分の文章を組み立ててゆくことができます。小論文を書くには、このように型に嵌め込む手法を知っているとどんな課題でも柔軟に対応できるようになります。


この方法は、日本の学校教育ではカリキュラム化されていない為、教える人が少ないです。ONLINESTUDYのAI小論文添削では、この手法を用い文章を細かく型に嵌め込んでゆきます。



AI小論文添削の活用

ONLINESTUDYの小論文添削プログラムでは、ACEの専門的知識を人工知能にプログラムしたシステムです。


文章を提出していただくと、プログラムがACE手法に沿ってあなたの文字列を分析してゆきます。


論理的展開か?

客観的に述べているか?

主張はあるか?

読みやすいか?

改善した方が良い点はどこか?

誤字脱字はあるか?

文調は適切か?


など、さまざまな角度から文章構造を分析し、主張が一貫した小論文になるアドバイスを客観的に行います。


書かれた文章を上書きして添削するという従来の添削方法ではなく、文章全体が型にはまっているかをAIにより詳細に分析してゆきます。


論点がずれてしまっている場合は、方向性を修正し提案します。最終的に誰が読んでも読みやすいか?何が言いたかったのか?が明確になる文章構成に導きます。


最も大切なのは骨格ですので、骨格が完了したら誤字脱字や文調をチェックし最終小論文として仕上げてゆきます。


小論文上達は、ピアノの練習と同様コツコツ練習が必要になります。コツコツ続けることで高い評価のでる文章構成ができるようになってゆきます。何度も添削を重ねることは成功の秘訣です。


ご興味のある方はこちらからご利用ください。

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Honu 先生

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